子供が生まれた時には、健康にのびのびと育ってほしい。
子供が幸せなら、それでいい。
なんて、思っていても、子供が成長するにつれて、周りと比較してしまいがちになります。同級生・親戚の子・兄弟。周りに自分の子供よりも「できる」子供がいると、「どうして、うちの子はできないの?」なんて思ってしまいます。
思うだけならいいのですが、ついそれを本人に対して、口にしてしまうことも。
周りと比較して、子供を悪く言う事は良くないことです。
あくまで子供自身がどれだけがんばっているかを評価してあげましょう。
誰だって他の子と比べられることは辛い
誰かと比較されて、褒められるのであれば、気持ちがいいかもしれませんが、他の子と比べられて、悪く言われたり、叱られたりすることは気持ちのいいものではありませんよね。
「○○くんはもっとできているのに。どうしてできないの?」
「○○くんはこんな事もできるんだって」
こんな風に言われたら、大人だって嫌な気持ちになると思います。
大人が嫌な気持ちになるのだから、子供はなおさらです。子供は純粋なので、例えばそれが遠回しに悔しい気持ちを駆り立てて、やる気を出させるために言っているとしても、そうは捉えてくれません。
その言葉どおりに捉えて、
「ああ、お父さん(お母さん)は自分よりも○○くんの方が好きなんだ」
「自分より○○くんを子供にしたいんだろうな」
と感じてしまいます。
子供からしてみれば、とても辛いことです。自分の親が、自分よりも他の子供を可愛がっているのですから。
本当はそう思っていないとしても、そう言われた子供は、このように感じてしまいます。
姉妹・兄弟がいれば、その間でも比較をしてしまうこともありますよね。
「お姉ちゃん(お兄ちゃん)はできるのに、あなたはできないの?」
これも同様に、言われた子供は「お父さん(お母さん)はお姉ちゃん(お兄ちゃん)しか好きじゃないんだ」と感じてしまいます。
これって、子ども心に、結構辛いことだと思うんですよね。
自分の親から愛されていないんじゃないか?と考えてしまうわけですから。
いくら親が「勘違い」だと否定しても、子供自身がそう感じていれば、子供の心にとっては、それが真実です。
一度、「自分が親から愛されていない」と感じてしまった気持ちは、そう簡単に塗り替えられるものではありません。
僕自身、そうしないように気を付けていますが、つい比較するような事を言ってしまうこともあります。子供に辛い思いをさせたなと、大いに反省です。
比較されることにゴールがない
他人と比較されて、他人より悪い・劣っていることを否定されるのであれば、常に集団の中で1位になり続けなければいけないということになってしまいます。
そんな事は不可能です。なぜなら1位は一人しかいないからです。
だったら1位になればいい?この世界に常に1位であり続けることができる人間なんていません。
つまり、比較される人生は終わりがありません。どこまでいっても満足してもらえないことになってしまいます。
Aさんに勝てば、次はBくんが。Bくんに勝っても、次はCさんが。といったように、比較され続けることになります。
同級生で、同じように勉強しているのに、自分の子供は成績が悪い。
同級生は、自分からお手伝いをするらしいけど、自分の子供は言われてもお手伝いをしてくれない。
○○くんは逆上がりができるのに、自分の子供はまだできない。
子供の成長のスピードには個人差があります。そして、得意不得意なことにも、当然個人差があります。同じようにしていても、皆が同じようにできるわけがありません。
それをいちいち比較するのはナンセンスです。
褒めるのは、結果ではなく過程
子供ががんばっているのであれば、がんばっている姿を褒めてあげましょう。
がんばっているのに、誰かと比べて劣っているからといって否定されれば、子供はがんばる気持ちを失ってしまいます。
特に結果が伴っていないときほど、その過程を褒めてあげることで、よりがんばる意欲が湧いてきます。
「よく頑張ったね!」
こういった声をかけてあげることが大切です。
結果が伴っているのであれば、結果も褒めてあげればいいと思います。
問題は、がんばっているのに結果が伴っていないときに、他の子と比較して、自分の子供を否定することは、子供にとって良くない影響を与えるということです。
「いや、うちの子がんばっていないんだけど?」
頑張っていないことを褒める必要はありませんが、こんな時も他人と比較してはいけません。
「○○さんは、こんなに勉強しているみたいだよ」
とか言って、我が子にやる気を出させようとしても、まず逆効果です。
大人だって、他の人と比較されると嫌だと思いませんか?
「○○さんところは、料理が上手なんだって」なんてパートナーから言われても、
「へえ~」としかリアクションしようがないですよね。「だったら、そこの人と結婚すればいいのに」なんて内心で思ってしまいます。
子供も一緒で、「だったら、○○さんを子供にすればいいのに」と思ってしまいます。
褒める時も、叱る時も、あくまでその子自身に対して評価をするべきです。
勉強をしていないのであれば、
「ちゃんと勉強しないと、いけないよ」と、その子自身が出来ていない事に対して叱るようにします。他の子と比べる必要はないんです。
子供自身が比べるようになってしまう
親から比較をされ続けて、成長すると、子供は常に周りと比べられながらの生活になってしまいます。
中学生・高校生・大学生と進めば、あるいは、社会に出れば、常に比較されることになるのですが、それが小さい頃から家においても習慣として比べられているのです。
そうなれば、子供にとって周りの人間は全て比較対象として映るようになってしまいます。
周りの子供たちは、みんな競争相手です。ライバルです。
果たして心安らぐ場所はあるのでしょうか?
そうやって成長してきた子供は、きっと周りの子供たちを常に比較対象として見るようになってしまいます。
Aくんは自分より劣っている。であるとか、Bさんは自分より成績が良かった。なんてように。
それで、本当の友達や仲間ができるのでしょうか?
それが、子供にとって、本当に幸せな人生なのでしょうか?
冒頭でお伝えしたとおり、1位であり続けることができる人間なんていません。
比較され続ける人生で、周りを競争相手としか見れないで成長してきた子供が1位ではなくなったときに、果たして周りに何が残るのでしょうか?
子供の幸せは親が決めるものではありません。子供自身が幸せだと思うかどうかです。
現代の競争社会において、競争からは避けられないことなのかもしれません。
それでも、その競争が、一人きりで走り続けるゴールのないマラソンなのか、誰かと寄り添いながら走る二人三脚なのかは選ぶことができるはずです。
あなたの子供の周りにいるのは、競争相手ですか?それとも仲間でしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございます。
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