食事をするときに、子供に対して「好き嫌いはいけない」としつけをしている家庭は多いのではないでしょうか?
確かに成長期の子供にとって、好き嫌いによって栄養が偏ることは良くありません。
また、食育として、食べ物を大切にするということを学ばせるのも重要なことです。
しかし、本当に美味しくない料理だったとしたら?
美味しくない料理に対して「美味しい」と言わせることが正しいのでしょうか?
食べ物は大切にしなくてはいけない
まず、大前提として、食べ物は大切にしないといけません。
僕たちの暮らす日本というところは、飽食で、とても食品ロスが多い国でもあります。
余った食べ物が廃棄されているのです。
一方で、世界には食べるものが十分でなく、飢えに苦しむ子供たちがいる国もあることも事実です。
僕自身も、そういった世界のどこかで飢えて死んでいく子供たちがいることを考えると、食べ物を残すことはいけないと感じ、好き嫌いをしないようになりました。
僕の場合、子供の頃は納豆とかトマトが苦手だったのですが、好き嫌いを無くすべく努力して、今ではどんな食べ物でも美味しく食べられるようになりました。
ちなみに、僕の友人に、僕が食べ物を大切にしている理由を説明したら、「それなら、寄付でもしたらいいんじゃない」と嫌味を言われてしまいました。
こういった話をすると、偽善だと批判する人が一定程度いますが、そういう人は自分では何も行動できない人であると感じます。自分が何か正しい行いをしないことを、そうやって人を否定することで正当化しているのでしょうね。僕が食べ物を大切にしたからといって、飢えに苦しむ子供が減るわけではありません。僕も、そういった子供たちを救おうとして、食べ物を大切にしているわけではありません。ただ、飢えに苦しむ人たちがいることを知っておきながら、食べ物を粗末にする自分が許せないだけです。
そう考えると、好き嫌いをして料理を残すようなことは、いけないことだと思います。
好きなものばかり食べていると栄養が偏る
子供にとっては、栄養は成長するうえで重要なものです。
バランスのとれた食事が大切ですね。
その中で、好き嫌いをして、食べるものが限られると栄養が偏ってしまいます。必要な栄養が取れないということもあるかもしれません。
肉ばかり食べて、野菜を食べないと健康に悪いのは、大人だって一緒ですね。
野菜が苦手という子供は多いのではないでしょうか?
我が家の長男は、肉よりも魚や野菜が好きですね。健康的で良いことだと思います。逆に次男は肉ばっかりが大好きです。
健康と健やかな成長のためには、好き嫌いをせずに、バランスのとれた食事をすることが大切です。成長期の子供にとっては、なおさらですね。

美味しくないは料理してくれた人に失礼
料理は誰がしていますか?
子供たちの食べるものは、多くの場合、親が料理しているかと思います。
お父さん?お母さん?
お父さんは料理をしない?今は男性も平等に家事をする時代ですよ。
とにかく、子供が自ら料理するという機会は少ないかと思います。
子供が大きくなってくると、料理をしてくれる子供もいると思いますが、親が料理をする機会の方が多いのではないでしょうか?
誰かが料理してくれた食事に対して、「美味しくない」「まずい」なんて事を言うのは失礼ですよね。
「だったら、自分で作ればいい」なんて思ってしまいます。
自分の食べるものを誰かが用意してくれているのですから、感謝の気持ちをもって食べることが大切です。
これは、親の料理だけではなくて、外食をするときでも同じだと思います。作ってくれたものは、感謝をして、いただくべきですね。
外食の場合は、代金を払うのだから、感謝する必要なない。客は神様だ。なんて考えている人もいるようですが、僕はそうは思いません。確かにお金を払いますが、その分、代金に見合った食事を提供してもらうのですから、イーブンだと考えます。お金だけ払うのなら神様かもしれませんが。
むしろ、料理をしてくれたことには敬意を払うべきだと思います。料理人もお客もどちらが上なんてことはありませんよね。
本当に美味しくない時には嘘を付くのか?
しかしながら、本当に美味しくない料理だったとしたら?どうすべきでしょうか?
親だって人間です。常に完璧な料理はできないかもしれません。
ひょっとしたら、何か間違っているかもしれません。塩と砂糖を入れ間違えているかもしれません。
子供に対して、美味しくないということは料理してくれた人に失礼だと言いながらも、一方で、本当に美味しくない料理だとしたら、それはちゃんと評価させるべきではないだろうかとも感じます。
残念ながら親はプロの料理人ではありません。
まだまだ、完璧な料理ができない可能性もありますよね。
それを無理やり「美味しい」と言わせていると、料理の進歩がない気がするんですよね。
料理を正しく評価することと、食べ物を粗末にすることは必ずしも一致しません。
例えば、ちょっと美味しくないかも?っていう料理も食べられないことはないはずです。
食べられるのであれば、がんばって食べてみるっていうのも、食事を大切にすることと、バランスのとれた栄養を取ることに繋がります。
そして、正当な評価であれば、さらに料理を進歩させることに繋がります。
子供に気を遣わせて、何でも「美味しい」と言わせるのではなくて、料理を進歩させて、何でも「美味しい」と自然に言わせるようにすればいいのです。
そのためには、料理人である私たちも、子供の「美味しくない」という意見を、頭ごなしに「失礼だ」と断絶するのではなく、耳を傾ける必要があるのではないでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございます。
食べ残しを無くそう 食糧危機を回避するために私たちが考えるべきこと