子育てをしていると、子供に対して腹が立って感情的になってしまうことも、たまにはあるものです。
そういった時に、つい感情的にきつい言葉を子供に対して言ってしまうということがあるかもしれません。でも、ちょっとしたことで言った言葉が子供に対しては大きな影響を与えてしまうこともあります。
子供にとって、親からの言葉というのは、それだけ大きいものなのです。
子供に対して、つい言ってしまう言葉で、言ってはいけない言葉について考えたいと思います。
嫌いと言っては絶対にいけない
子供が何か悪いことや、気に入らない態度を取った時に、つい、子供に対して「嫌い」という表現を使っていませんか?
子供も成長してくると、つい悪いことをしてしまったり、悪い言葉を使ってしまったりすることがあると思います。
そんな時に、
「そんな事をする子は嫌い」とか、
「そんな事をするなら、嫌いになっちゃうよ」とか、言ってしまっていませんか?
何気なく言ってしまう言葉かもしれませんが、子供にとって、親から嫌われるということは、とても衝撃的な出来事です。
その精神的なダメージは計り知れません。
だって、子供にとって、お父さん・お母さんというのは、たった一人の存在なんですもの!
「嫌い」と一度言ってしまうと、その子には、「お母さん(お父さん)は、僕のことが嫌いなんだ」ということが、事実として心に刻まれてしまいます。
それは、成長しても、ずっと心のどこかに傷として残ってしまいます。
今後何をするにしても、どこかで「僕は嫌われている」と感じながら親と接するようになります。自分の立場で考えてみてください。嫌われていると感じる相手に、果たして心を許した関係を築けるでしょうか?難しいですよね。
それは、親でも同じことです。「嫌い」と一度言ってしまったら、あなたと子供との関係には大きな溝ができてしまうことでしょう。子供から心を許したコミュニケーションを取ってもらえなくなるのです。子供が悩んでいる時、親に対して腹を割って相談なんてしてくれなくなるでしょうね。
親は子供に対して、愛情を伝えるのが一番です。どれだけ愛しているかを子供に伝えなくてはいけません。子供が親からの愛情を感じることで、何かあっても、どんなに苦しくても、変える場所ができます。どんな時でも、親は自分の味方をしてくれると、安心して成長できます。
子供に対して「嫌い」と言うことは、愛情を伝えることと、真逆のことになります。子供にとって、家庭が安心できる場所でなくなります。そういった場合は子供は他の場所に安心を求めます。友達であったり、恋人であったり。
何かあった時に、帰れる場所が家庭ではないというのは寂しいことですね。
そんなふうに育てた覚えはない
これは、ある程度、子供が大きくなってから言ってしまう言葉でしょうね。
子供が親にとって常識から外れたことをしてしまったときに、言ってしまうのだと思います。
親が自分のしつけとは違う行動を、子供がしてしまった時、親にしてみれば、「そんなしつけはしていない」ということなのでしょうが、親子の関係を否定してしまう言葉です。絶対に言ってはいけません。
「(そんなふうに)育てた覚えはない!」
これって、子供からしてみれば、これまでの親子の時間を全否定されていることになりますよね。本当に育児放棄な親で、育児に全く関わっていないのであれば、「育てた覚えはない」のでしょうが、そうでなければ、確かにこの親に育ててもらったはずなのに、親は「覚えはない」なんて言っているのですから。
これまで積み重ねてきた、親子の時間が無かったことにするような、そんな残酷な言葉です。
逆に、確かにあなたが育てた子供であるのならば、自らの育児を否定していることにもなります。「そんなふうに育っている」のに「そんなふうに育てた覚えはない」のですから、それって自分の育児法がいけなかったと認めていることになりますよね。
じゃあ、どんなふうに育てたのでしょうか?
あなたなんて産まなければ良かった
これはダメです。絶対にダメです。言うまでもなくダメです。
よっぽどじゃないと、この言葉を言うシチュエーションはないかとは思います。よっぽど親が追い詰められている時だとは思います。
それでも、こんなことは子供に対して言ってはいけません。
子供が生まれてきたこと自体を否定する言葉です。
そもそも、子供を産むことを選択したのは自分たち親ですよね。あなたたちが、産むことを選んだから、その子供は生まれてきたのです。生まれてきた子供には何の罪もありません。
「どんな命だって、生まれてくることに意味はある」だなんて、綺麗ごとだとは思います。
この世界には、目を覆いたくなるような犯罪を犯す人間もいるのが真実です。そういった人間に対して、「生まれてこなければよかったのに」と思う気持ちは否定できません。
我が子が罪を犯してしまった時、そんな時に、この言葉を言ってしまうのか悩んでしまう気持ちは否定できません。
逆に言えば、そうでない時には、この言葉は言ってはいけませんね。簡単に口に出していい言葉ではありません。それだけ、重い言葉です。
言ってしまった言葉は消えない?
それでも、こうした言葉をつい言ってしまった時には、もう取り返しがつかないのでしょうか?
残念ながら、言ってしまった言葉は消えません。
一度、あなたの口から、外の世界に発信された言葉は、意味のある言葉として、存在してしまいました。無かったことにはできないのです。
「今のなし!」なんてのは通用しません。
こうした言葉を耳にした子供は、少なからず心に傷を負ってしまうことでしょう。
そして、大小あるにせよ、親子関係に溝ができてしまいます。
それでも、完全に元には戻りませんが、修復することはできます。どうするのか?
謝ってあげてください。
言ったことを悪かった。間違いだったと思うのであれば、子供に謝ってあげてください。
できるだけ早いタイミングがいいです。時間がたてばたつほど、溝は深まります。
「言い過ぎたごめんなさい」と謝って、そして思いっきり抱きしめてあげてください。子供を愛しているということを態度で示してあげてください。子供が安心できるように、子供のことを愛しているんだと伝わるように。
そして、当然次からは、そんな事は言わないようにしなくてはいけません。謝ったのであれば、もう2度と言わないようにしましょう。次も同じことを繰り返すと、今度は修復がより難しくなります。謝罪が口だけだと思われてしまいますからね。
子供は親からの言葉を、とても気にしています。親の言葉が子供にとって、大きな影響を与えてしまいます。良いことも、悪いことも。であれば、親が子供に対してかける言葉も慎重に選ぶ必要がありますね。
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