子供も大きくなってくるにつれて、口が達者になってきます。
そうすると、親に対して文句を言うことが多くなってきますよね。そんな時には、つい感情的になって「文句ばかり言わないの!」と叱ってしまいがちですが、文句を言っている子供を叱っても、いじけてしまって、余計に悪い状況になってしまうこともあります。
文句ばかりを言う子供は、どういった心理で文句を言っているのか?
そんな時に、私たち親はどうやって接するべきでしょうか?
子供がつい文句を言ってしまった時に叱ってしまう
僕の下の子供は少年野球をしています。
練習に夢中になることはいいことですが、家でも自主練習に精を出すあまり、宿題が後回しになってしまうことがあります。
ある日、野球を練習しすぎて、宿題が出来ていなかったので、
パートナーが「ちゃんと宿題ができないなら、野球もできないよ」と子供の事を叱りました。
すると、子供から
「そんなこと言うなら、野球の応援に来なくていい!」なんて言われてしまいました。
パートナーは、ついカっとなって
「そんなこと言うなら、応援に行かないからね!自分が宿題していないのが悪いのにその口の利き方はなんですか!」と子供のことを叱ってしまいました。
パートナーは、子供の母親として、休日に野球の練習に行くときはお弁当を作ってあげたり、サポートをしていますので、そんなことを言われたのがとてもショックだったと思います。
子供もつい文句を言ってしまったのでしょうが、熱くなってしまい叱ってしまったのでしょう。
叱られた子供はボロボロと泣いて、後悔していました。
僕は子供に対して、「君が野球をできるのは、お母さんがサポートをしてくれているからだよ。その人に対して、応援に来なくていいなんて言っていいのかな?」「人に助けられて、野球ができているのだから、ちゃんと感謝をしないといけないんじゃないかな?」と諭してあげました。
すると、子供はお母さんに謝って、仲直りをしました。
どうして子供は文句を言うのか?
さて、我が家ではこうして、親子喧嘩は事なきを得ましたが、こういった事はよくあります。別に野球に限らなくても、生活をしていると、子供たちは様々なことに文句を言ってきます。
このように、文句ばかりを言う子供はいったいどんな心理なのでしょうか?
先ほどの僕たちの事例で言えば、
子供にしてみれば、「自分は野球をもっとしたいのに、お母さんが野球をするのはダメだって言ってくる。お母さんは僕が野球をするのを応援していないんだ」といった気持ちだと思います。
大好きな野球をするなと言われたストレスで、つい文句を言ってしまったのです。
このように、子供は「自分の思い通りに行かない時」に文句を言ってしまうのです。
大人からしてみれば、なんてわがままな文句を言ってくるんだ?なんて、感じてしまいますが、子供には子供の世界で納得のいかないことがあるのです。
そして、何より、私たち親も人間です。完ぺきではありません。
子供からしてみれば、親が自分の事を棚に上げていると感じることもあるかもしれません。
子供は親の事をとてもよく観察しています。親がパートナーや他の誰かに対して、文句を言っているのを見られていれば、子供からしてみれば、「お父さん(お母さん)も文句を言っているじゃないか!」と思ってしまいますね。
子供は成長する段階で、いろんな事を吸収し、知識を得ていきます。
そうして、自分が置かれている環境とは違う可能性があるということを知ります。
そうすれば、今、自分に起きている状況が当たり前のものではないと理解します。
もっと自分にとって、より良い状況があり得ることを知れば、現状に対して不満を感じてしまうでしょう。そういった時に、不満が「文句」として、外に吐き出されるのです。
ですから、文句を言えるということは、子供が成長している証です。
それは、より良い自分を求めているということですので、文句が言えるようになるということは喜ばしいことです。親として嬉しいことですね。
さらに、子供が文句を言えるということは、親に対して遠慮をしていないということです。それは、「文句を言っても大丈夫」と信頼されているということです。家庭がリラックスできる場所であるということですので、子供にとって良い環境であると言えますね。
そう考えると、文句を言う子供のことも、悪いことばかりでは無いと思えるのではないでしょうか?
子供が文句を言った時の対処法
しかし、文句を言う子供を放っておくわけにはいかないですよね。
では、子供が文句ばかりを言う時に、どうやって対応すればよいのでしょうか?
まず、頭ごなしに叱ってはいけません。
「文句ばっかり言うんじゃないの!」「そんなことで文句を言うな!」といったように、文句を言う事自体を否定することは良くありません。
なぜなら、先ほども説明したとおり、子供は何か不満があるから文句を言っているのです。それが大人にしてみれば、ばかばかしいことかもしれませんが、子供にとっては大きなことかもしれません。
不満があるから、文句を言っているのに、文句を言う事自体を否定されると、不満を吐き出す場が失われてしまいます。これでは、子供にとってストレスが溜まってしまいます。
まずは、傾聴することが大事です。
傾聴とは聴いてあげることです。耳を傾けてあげることです。
そうすることで、子供は親が自分に対して関心を持っていると思います。自分の不満を聞いてくれるんだと感じます。
「何が不満なの?」「どうして、そんな事を言ったのかな?」といったように、聴いてあげることで、親子の信頼関係が築けます。
聴いたうえで、それを改善するためにはどうすればいいのか?本人に考えさせます。親が答えを与えるだけでは、自ら解決する力が身に付きませんし、人任せになってしまいます。
ですから、自分で考えさせることが大切です。
自ら考え、行動することで、自分で納得して行動することができます。人に言われてやるんじゃなくて、自分で決めて行動することで、よりやる気に繋がります。
そして、自分で考えさせることで、自分が間違った事を言っているとしても、それを自ら気づかせるようにします。人間、人から言われて改善しても、身に付かないものです。それだと、きっとまた同じことを繰り返してしまいます。
どんなに理不尽な文句だと感じても、まずは聴いてあげて、そして、自ら改善策を考え、実行させます。そうすることで、子供にとっては自ら考える力を身につけることになりますし、親子の信頼関係も築くことができます。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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