日本には、お年玉という文化があります。
子供たちにとっては、夢のような文化であり、身内に子持ちが多い大人たちにとっては、恐ろしい文化です。
改めて説明する必要はないと思いますが、お年玉とは、お正月に、大人たちが親戚や友人の子供たちに金銭を与えるという儀式です。それも、なかなか高額である場合が多いです。
もちろん、私も子供のころには、この文化の恩恵を受けてきましたが、大人になって、子を持つ親になって考えてみると、なかなか恐ろしい文化だなと思います。
お年玉とは、子供に対してあげるものですので、基本的にもらったお金は、子供のものになるとすれば、いくら大人がお年玉をあげたとしても、周りの大人たちからキャッシュバックは無いことになります。あくまで、もらえるのは自分の子供たちになります。
そうです、身近に子供が増えれば増えるほど、大人の財産が子供たちに渡って行くことになります。ましてや、子供がいなくて、兄弟や親戚に子供がいる大人にとっては、自分の家族へ返ってくるお金はゼロです。
こうして考えてみると、なかなか恐ろしい文化であると共に、子供を重要視している文化なのだと思います。
さて、話がそれてしまいましたが、本題は、このお年玉の使い道についてです。
そもそも、子供が受け取るお年玉なので、全額子供のものになるのが正しい使い方でしょうか?
目次
我が家ではお年玉は子供のもの
我が家ではお年玉は、基本的には子供のものとしています。
家によっては、「子供を育てるためにはお金が必要なのだから、お年玉は(子供の為に)親が使う」という家もあるかと思います。
確かに、子育てには多額のお金が必要です。
親戚や友達の子供にお年玉を出費して、家計が苦しいのに、せめて、我が子が貰ったお年玉は回収したいと考えるかもしれません。
全額でないにしても、例えば半分は子供に使わせて、半分は子供の為に家計に入れさせてもらうというように、割合を決めて、親と子供に振り分けるという考え方もあるようです。
確かに、お正月の頃にはいろいろと出費もかさみ、家計も苦しくなる時期だと思います。
自分たちが、他の子供たちにお年玉として出費した分、せめていくらかは収入として欲しいと思う気持ちも分からなくはないです。
しかし、我が家では、お年玉は、全額子供のものとしています。
お年玉を親が使わない理由
いろいろと、その家ごとに考え方はあると思います。
ルールを決めて、その範囲でお年玉の使い方を分けるというのも間違いではないとは思います。
しかし、それでも僕が、お年玉を子供たちのものとしているのは、なぜでしょうか?
くれた人の気持ちを考えてみる
自分の子供にお年玉をくれる人。
我が家の場合は、子供の祖父母(自分やパートナーの親ですね。)、叔父・叔母(自分やパートナーの兄弟姉妹)、友人(自分やパートナーの友人)、その他親戚といったところですね。
さて、そういった人達がお年玉を子供たちにあげる時に、どう考えてお年玉を子供に渡しているかですが、
あくまで、子供たちのためを思ってくれていると思うんですよね。
子供たちが幸せに、喜ぶ姿を想像してくれているのではないでしょうか?
決して、親が使うことを考えてくれてはいないと思います。
そう考えた時に、お年玉を親が使ってしまうことは、くれた人の気持ちに反しているのではないか?と、そう考えてしまいます。
別に親が自分のために使う訳じゃない。子供の為に使うのだからいいじゃないか!という考えもあるかと思います。
子供の気持ちを考えてみる
次にお年玉をもらった子供の気持ちを考えてみます。
「あけましておめでとう。はい、お年玉」
「ありがとうございます」
こうやって受け取ったお年玉。受け取った子供は、確実にこれは自分が貰ったと考えているのではないでしょうか?
こういったやり取りで子供の手に渡ったお年玉が、まさか親に奪われるとは思いもよらないはずです。
「わーい!ありがとう。○○おじちゃん」
こうやって、喜んで手にしたお年玉を、後になって、親に「お年玉は親が貰います」と言って奪われてしまったら、○○おじちゃんへの感謝の気持ちは、どこかに吹っ飛んでしまいます。
「さっきの喜びを返してくれ!」
なんて、次回からは「ありがとう」に気持ちがこもらないかもしれませんね。
子供が喜んでいるのだから、それを奪うようなことはしたくないと考えました。
自分はお年玉を親に奪われた経験がある
僕がこうして、お年玉は子供のものであるべきと考えるのには、自分の子供の頃の経験が影響をしています。
僕が子供の頃、お年玉を貰ったら、親が「お年玉は大切にとっておこうね」といって、口座に貯めておいてくれました。
子供ながらに、自分のお金が貯まっていくのが、わくわくしていた記憶があります。
何年かしてから、親にお年玉がいくら貯まったか通帳を見せてとお願いし、見せてもらった僕名義の通帳には残高がほとんど残っていませんでした。
「?金額が残っていないよ?」
「ごめんね。使ってしまったよ」
その時のショックは、とても大きかったです。
お年玉を貰って、いろいろと買いたくなるのを我慢して貯めておいたと思ったお金が親に使われていたのです。
もはや、何を信じていいのか分かりません。小さい子供ながらに人間不信になってしまいました。
それ以来、僕はお年玉は貰った年に全て使い切るようになりました。
貯めても親に使われるのであれば、使い切ってしまわないと損だと考えるようになりました。
こうした経験から、我が子には同じ思いをさせたくないと考えています。
楽しみにしている期待を、親が裏切るようなことはあってはならないと考えています。
だから、お年玉は全て子供のものとしています。
あらためて思い出すと、なかなか嫌な思い出ですね。
お年玉を使うルールを決める
お年玉は全額、子供のものなのですが、その使い道にはルールを決めています。
もらった内のいくらかは、貯蓄をするということです。
我が家でも子供名義の通帳を作って、割合を決めて、貯蓄をさせています。
子供に自由に使わせると、まだお金の使い道を考えるのが難しく、おもちゃやゲームに全て使ってしまいます。
そして、おもちゃやゲームってあっという間にブームが過ぎ去って遊ばなくなるんですよね。
一過性のものにお金をつぎ込むのはもったいないと思いますが、子供のお金の使い道なんて、そんなものだと思います。
かといって、全てを貯蓄に回すと、結局自分たちが自由に使えないということになってしまいますので、いくらかは貯蓄に、残りは自由に使っていいよというルールを決めています。
当然、貯蓄は子供たちのものです。親が勝手に使ってはいけません。誰かの二の舞です。
これは、子供がおもちゃやゲームといった一過性の娯楽のためにお金を使おうとするからであって、何か有意義なものを買おうと考えている子供であれば、全額自由にさせてみてもいいとは思います。むしろ、そういった子供は自ら貯蓄することを選ぶかもしれません。
お年玉は、普段子供たちが手にすることのない大金を手にする機会です。この機会にお金の大切さや、お金の使い道を学ぶことができればいいと思います。
いろんな大人たちが、自分の子供たちの幸せを願って、お年玉をくれる。ありがたいことですね。お金のことばかりを考えるのではなく、そういった幸せを感じてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございます。
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