親は子供の見本であるべきです。
しかし、理想と現実は必ずしも一致しないものですね。
「陰口を言うことはよくないこと」
善悪の概念は、社会や信条、また環境によって、人それぞれではありますが、こういった当たり前のように、良いことと悪いことで区別される事案もあります。
よくないことの程度は、人によって違うかと思いますが。
それは、子供の頃に、親や、学校の先生から教わるようなことであって、大人であれば、当然のように理解している一般常識と言えることかもしれません。
人の悪口を言ってはいけない
人を傷つけてはいけない
では、こういった、いけない事をしないということを、私たち大人はどれだけ守れているでしょうか?
少なくとも僕の人生経験において、出会ってきた人の範囲で言えば、人の悪口を言わない人間なんて人は、ごく少数だと言えます。
それが、子供を育てる親だとしたら、子供にはどんな影響があるでしょうか?
子供が悪口を言うことを悪いと思っているか?
子供は成長の過程で、「何が良いこと」で「何が悪いこと」かを学んでいきます。
当然、初めての出来事に対しては、それが良いことなのか?悪いことなのか?なんて分かるはずもありません。
何か行動をしたときに、親であったり、大人から、「それはいけないことだよ」と教わることで、「ああ、これはしてはいけないことなんだ」と理解します。
大人から見て、それが悪いことだとしても、子供はまだ、それを悪いことだと理解していません。学んで初めて、何が悪くて、何が良いかがわかるようになります。
でも、親から「人の悪口を言うことはいけません」と教わったとして、その教えて親自身が誰かの陰口を子供の前で言っていたらどうでしょうか?
子供は、訳が分からなくなりますよね。
「悪口を言うことはいけないはずなのに?どうして親が悪口を言っているんだろう?」と。
そういった場合には、子供の思考として2パターン考えられます。
- 親が悪いことをしている。
- 悪口を言うことは悪いことではない。
どうでしょうか?まず、①は辛いですね。子供から悪い親だと思われてしまいます。しかし、考えようによっては、反面教師ということで、子供は親の悪いところを見て、正しい倫理観を持って育ってくれるでしょうから、子育てということでは、良いことだと思います。
②の場合は、子供が正しく、悪いことを理解できないことになってしまいます。こうした理解をしてしまうと、「悪口を言うことは悪いことではない」という思考になってしまいます。
つまり、悪口を言うことを悪いと思わない子供に育ってしまいます。
親の与える影響
子供に対して、親の言動が与える影響は決して小さくないでしょう。
誰よりも長く一緒に過ごしてきた人間ですので、影響力は大きいものです。
それ故に、やはり子供の見本となるような行動をとるように、普段から心掛けたいものですね。
さて、知り合いの子供の話です。
ある子供Aくんが、お友達とその家族の何人かのグループでお出かけをしました。
外で昼ご飯を食べるため、お弁当を用意していたのですが、Aくんが自分のお弁当をひっくり返してしまった時に、Bくんは「かわいそう」といって心配をしていました。
一方でCくんは、その状況を見て笑っていました。
子供によって、こんなにリアクションが違うんだなと思っていると、Cくんの親も一緒になって、「バカだな」と笑っていたのです。
全てがそうとは言いませんが、親の影響というものは大きいものだなと感じました。
普段から、親が人の陰口を言ったり、人の失敗を笑ったりしていると、どうでしょうか?
一緒に暮らしている子供にとっては、それが当たり前になってしまいます。
「人の悪口を言うことは当たりまえ」
「失敗した人間を笑うのは当たりまえ」
いくら、口先だけ親が「悪口はいけません」としつけたとしても、全く説得力がありませんよね。だって言っている本人が、人の悪口を言っているのですから。
それでは、子供は何が悪いのか理解できません。
少なくとも、それを親から学ぶことはないでしょう。
逆に、親は悪い人間と学んでくれて、反面教師で、子供は正しく育つという可能性もありますが。親以上に、影響力のある、誰かが正しいことを教えてくれることを願います。
子供の前では正しくあるべき
親は子供の見本であるべきです。
僕は、子供の前で陰口は言いません。
そもそも、陰口は嫌いなので、普段から言わないのですが。陰口ってなにも解決しませんよね。それによって負の感情しか生まれませんし、当たり前に悪いことなので、子を持つ親が、悪いことをする人間にはなりたくないなと思います。
お友達のことを悪く言うことも、いけないことだと教えています。
ちなみに、子供のしつけ方として、これは悪いことだと教える時には、どうして悪いことなのか?と理由も教えてあげるようにしましょう。理由もなく、ただ、ダメと言うだけでは子供は納得しません。
子供に対して、こうあるべきと教えるのであれば、自分も実践をしなくてはいけません。
子供に言っておいて、自分はできていないと、子供からすれば説得力がありませんから。
こういった、育児方針のおかげか、我が子たちは、少なくとも僕の見ている限りは、人の悪口をすすんで言うことはしません。
お友達が、別の友達の悪口を言うことをたしなめるような子供に育ってくれています。
親バカかもしれませんが、いい子に育ってくれているなと思います。
陰口を言わない大人になれるように
しかし、陰口を言わない大人っているのでしょうか?
先ほどお伝えしたように、僕は陰口は嫌いです。
おそらく、陰口が好きという人はいないのではないでしょうか?
にもかかわらず、陰口を言う人って多いですよね?
人は陰口を言うことで、ストレスを解消しているということもあるのかもしれません。
また、一方で陰口を言うことで、自分の地位を確立しているのだと思います。
人の事を悪く言うことは、その人の評価を下げるということです。
効果があるかは別にして、少なくとも悪口を言っている本人の心理としては、相手の評価を下げようとしている行為ですね。
相手の評価を下げることで、相対的に自分の評価を上げようとしています。
そうすることで、精神的に自分の地位を確立しようとしている心理なのだと思います。
そもそも、相手に何か悪いことがあって、それを改善してもらいたいのであれば、陰口ではなくて、直接言わないと意味がないですよね。陰口を言っている時点で、相手に対して何か改善を求めているのではなくて、相手の評価を下げる。それに付随して、自分の評価を上げることを目的としていると言えます。
そう考えると、陰口を言う人というのは、自分に自信が無いのだろうなと思います。
ここでいう自信とは、優れた人間と思っているということではなくて、自分が正しいことをしているという信念を持って行動していないというか、自分の行動や思想を自分で正しいと信じていないということでしょうか。
自分に自信があれば、他者の評価を下げてまで、自分の評価を上げようという思考は働かないはずですものね。
まあ、人の陰口を言っている暇があれば、自分に自信が持てるように、自分磨きに励むほうが、よっぽど建設的だと思います。
僕が唯一理解できるのは、自分より目上の人に対する陰口です。会社であれば、上司やお客さんですね。こういった相手には直接言うことはハードルが高いですから、陰口でしか言う機会が無いと言えますね。
陰口を止められないと言う人は、子供の前だけでも、人の悪口ではなくて、人を褒めるように心掛けてみてください。
陰口は、裏庭に穴を掘って、その中に叫んでください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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