残念なことに、ゴミのポイ捨てというものは、どこに行ってもあるものです。
道端に散乱しているゴミを見つけると、とても残念な気持ちになります。いったいこれを捨てた人は、どういった気持ちで捨てているのでしょうか?
何も考えていないだけでしょうか?
ゴミが捨てられているということは、誰かがそれを捨てているということです。誰かが捨てないと、道がゴミであふれてしまいます。道路を歩けないほど、ゴミでいっぱいになってしまいます。そうなると、衛生的にも問題が出てきますね。
ポイ捨てする人には、こういった想像力が欠落しているのだと思います。
落ちているゴミを見つけたときにどうしていますか?
みなさんはこういった、ゴミが落ちているのを見つけた時にどうしていますか?
ゴミを拾って、処分しますか?
それとも、何もしませんか?
どちらが正しいかと聞かれれば、多くの人は「ゴミを拾う」ことだと答えるのではないでしょうか?
しかし、実際に「ゴミを拾う」という選択をする人がどの程度いるでしょうか?
僕の体感で答えると、おそらくゴミが落ちていることを発見した人が、ゴミを拾い処分するという選択をするのは、1割以下だと思います。10人が見つけて、1人が拾えばいいとこだと思います。
そうです。正しいと思っていながら、正しい行動をとれる人は1割もいないのです。
大多数の人間が、見て見ぬふりをしているのです。そんな事を言う僕も前は、見て見ぬふりをしている人間でした。
心の中では「拾ったほうがいいのだろうけど、今はゴミ袋も持っていないし、ゴミを持ち帰るとなると家族にも迷惑がかかるかな?」なんて、自分の行動を正当化する言い訳を考えていたのです。
何事においても、正しい行動をするほうがエネルギーをたくさん使うことになる場合が多いです。そうなると人は「できない理由」を捜してしまいます。つい楽な方に逃げてしまいます。正しい行動ができない事に罪悪感を感じてしまうので、できない理由を考えます。そうして、できない言い訳をしては、自分を正当化しているのです。
子供は純粋に正しい行動ができる
ある朝、僕がいつもの小学生の見守りに立つために、通学路へ歩いている時でした。
歩道の端っこに、コンビニ袋が破れて、お菓子の食べた後の袋やペットボトルといったゴミが散乱していました。
僕は当然、そのゴミが散らかっているのを発見しましたが、
「ゴミが散らかっているから拾ったほうがいいだろうけど、今はゴミを入れる袋も持っていないし、通学路の見守りに行っている最中だし、拾うことはできないな」
と考えて、そのままにしていました。
すると、登校中の小学生(おそらく2~3年生くらいの子)2人組が、そのゴミを拾おうとしています。試行錯誤しますが、その子供たちも当然ゴミ袋など持っていません。
その子たちが僕に話しかけてきました。
「ゴミ袋を持っていませんか?」
その行動に僕は気づかされました。
こんな小さな子供たちが「正しい行動」をしようとしているのに、僕たち大人はいったい何をしているのだろうと。
そして、「これは、おじさんが拾っておくから、君たちは学校に行きなさい」と子供たちを登校させて、ゴミをかき集めて、破れたコンビニ袋に詰め込んで持ち帰りました。ゴミを拾っていると、通りかかった別の子供たちが拾うのを手伝ってくれました。
本当に子供というのは、なんてきれいな心を持っているのでしょうか?
こうして、僕は今まで、見て見ぬふりをして「正しい行動」ができてなかったのですが、「正しい行動」ができるようになりました。
大人は正しい行動ができているのでしょうか?
実は子供のほうが、こうやって正しい行動ができる場合が多いように感じます。
子供のころは、どうすることが正しいかを教わり、それを信じて、その通りに行動しますが、成長するにつれて、大人が正しい行動をしていないことを知ります。
そうして、正しい行動を取ることが、馬鹿らしくなっていきます。または、正しい行動を取ることが恥ずかしくなっていきます。
皮肉なものですね。
大人が子供に「正しい行動」を教育しておいて、大人が子供に「正しい行動」を諦めさせるのです。
世の中には「悪い手本」があふれています。
あなたは、子供にとっての「良い手本」になれていますか?
大人がポイ捨てしたゴミを、子供が拾うのです。大人が見て見ぬふりをしていることを、子供が気付いて対応してくれるのです。
いったい、どちらが「お手本」でしょうか?
大人が子供の手本ですか?それとも、子供が大人の手本ですか?
道端に散らかっているゴミ。それは誰かが拾っています。勝手に消えて無くなることはありません。イメージしてみてください。ポイ捨てをすることで、誰かがそれを拾う必要があるということを。
そうです。そもそも大人が子供の手本となって、ポイ捨てなんてしなければ、ゴミを拾う必要もないのです。そうすれば、世の中はきれいになります。
子供に対して、正しい行動を求めるのであれば、大人も正しい行動ができていないといけませんね。
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