他の記事でも何度かお伝えしているのですが、僕の子供は野球をしています。
野球にはいろいろと道具が必要です。
バット、グローブ、スパイク、ユニフォームなどなど。
子供が野球をやっていくうえで、こうした道具を大切にする気持ちを持つことも必要になってくるものだと思っています。
しかし、道具を大切にすると言っても、子供にはまだまだ難しい場合もあるかと思います。
実は我が子も大切なグローブを失くしてしまったことがありました。
道具を大切にする気持ちを学んでほしいと思う中で、親としてどのように対応すべきか?を考えさせられましたので、参考にしてただけたらと思います。
野球に限らず、子供が自分の物を大切にする気持ちを持つことは大事ですよね。
目次
子供に新しいグローブを買ってあげた
まずは、我が家でのグローブ紛失事件について、事例を説明させていただきます。
冒頭でもお伝えしたとおり、僕の子供は野球をしています。
野球をするにはグローブなる物が必要になりますので、子供が野球を始めた時にグローブを買い与えていました。
子供も野球を頑張ってくれて、子供が小学六年生になり、小学生でのチームも卒部が間近になってきたころ、子供が、「中学生になったら硬式野球のチームに入りたいから、硬式用のグローブが欲しい」と言ってきました。
野球には硬式と軟式があります。硬式と軟式ではボールが違って、硬式はプロ野球や高校野球で使用している皮で作られた硬いボールを、軟式ではゴムボールを使用します。
小学生の野球チームは軟式が多い(一部で硬式もありますが)ですが、中学生になると硬式のチームもあります。
ボールが硬いので、軟式用と硬式用ではグローブも違います。
まだ、今のチームも卒部する前で、新しいチームへ入る前でしたので、少し悩みましたが、本人がやる気があったこともあり、その年の子供の誕生日プレゼントに、僕の親や兄弟から資金を集めて硬式用のグローブをプレゼントしました。
硬式用のグローブは高いのです。無名なメーカーの物であれば、安いものもあるみたいですが、スポーツショップに置いてあるものは、基本的に有名なメーカーの物なので、諭吉さんが数人出動してしまいます。
本人の希望通り、硬式野球のチームに入った子供は新しいグローブで練習に取り組んでいました。
新しいグローブを手に入れた子供は喜んでグローブを使っていました。
有名メーカーさんのものは、ちょっと高価ですよね。
こちらのメーカーさんは、少しだけ安いかも
子供がグローブを失くした
ところが、ある日、チームで練習している子供を見ていると、ある事に気づきました。
練習で新しい硬式用のグローブではなく、前のチームで使用していた古い軟式用のグローブを使っていたのです。
不思議に思った僕は子供に尋ねます。
「どうして軟式用のグローブを使っているの?」
すると子供はこう答えました。
「硬式用のグローブはまだ硬いから、軟式用のグローブの方がボールを捕りやすい」
その回答に疑問を抱きながらも、その場は聞き流していました。
すると、数日後、僕のパートナーで彼の母親から、衝撃の事実が伝えられます。
「グローブを失くしたらしい」
え!?
少しの時間、事態が理解できませんでした。
状況を詳しく聞くと、
チームの練習が無かった日に、近くの公園で友達と自主練習をしていた。
そして、その時に新しいグローブを持って行っていた。
グローブを使っての練習が終わり、公園のベンチにグローブを置いて、別の練習をしていた。
そして、公園にグローブを置いたまま、持って帰るのを忘れて、帰宅。
家でグローブが無いことに気づいた時には夜になっていたので、日が変わって捜しに行ったそうですが、もう無かったとのことでした。
それを聞いた時は、すでに夜でしたが僕も公園に懐中電灯を持って捜しに行きました。ですが、やはり公園にはどこにも見当たりません。
交番にも落とし物の届け出をしましたが、見つかったという連絡はありませんでした。
子供は親に言い出せなかった
事実を整理すると、子供がグローブを失くしたことに気づいてから、僕たち親に知らせるまで数日を要しています。
失くした時にお兄ちゃんには相談していたそうですが、お兄ちゃんに対しても親には言わないでと言っていたそうです。
そして、お兄ちゃんが心配になって、これ以上、内緒にしないほうが良いと諭されて、カミングアウトしたようです。
これは、親に知られると怒られるという気持ちから、後ろめたさで言えずにいたということですね。
思い返せば、軟式用のグローブを使っていた時も、何とかごまかそうとしていたということになります。
人間、悪いことをしてしまった時、失敗した時など、自分にとって不利になる出来事というのは正直に言えないものです。
怒られるかもしれないと思う事もそうですが、そうでなくても、相手からの評価が下がるということに恐れを抱いてしまいます。
大人だってそうですから、子供となると尚更ですね。
ずっと言い出せなかったことを、勇気を振り絞って、親に伝えて、謝罪してきました。
「グローブを失くして、ごめんなさい」と。
初めに伝えられた時には、衝撃が大きすぎて、驚きのリアクションが出てしまいました。
しかし、考えてみると、こうした失敗や、悪いことを正直に言い出しにくい環境にしてしまっているのは、親である自分の責任もあるのだろうなと反省しました。
子育てしていくうえで、間違ったことをした時に、親に言い出しやすい、謝りやすい環境を作ってあげるということは意識していたつもりでしたが、実際、子供が言い出せなったということは、まだ自分の環境づくりが未熟だったのだなと痛感しました。
だから、今回謝ってきたときも、まずは、謝れたことを褒めてあげました。
「正直に謝れて偉いね」と。
そして、その後で、数日間内緒にしていた事、プレゼントでもらった物を大事にしないといけないという事を伝えました。
たぶん、一番つらいのは本人だったのだろうと思います。大泣きしながら、謝っていました。
そして、今回のグローブは、僕の親や兄弟、いろいろな人がお金を出してくれてプレゼントしてくれたものです。
それを改めて子供に伝え、どう思うかと尋ねると、プレゼントしてくれた人みんなに謝りたいと言ってくれたので、電話で子供から直接謝罪を伝えました。
新しいグローブをどうするか?
さて、とりあえず、失くしたことに対する、反省や謝罪については済みましたが、では失くしたグローブの代わりをどうするか?という問題が残っています。
一応、軟式用のグローブを使って練習はできますが、やはり、いつまでもという訳にはいきません。
しかし、ここで、失くしたから代わりを買ってあげようと、親から持ち掛けるのは違うなと思いました。
道具を大切にするという気持ちを学んでほしいと思っているので、失くしたら新しいものを買えばよいというのは大切にするという気持ちと逆の行為のように思います。
ですので、まずは子供から新しいグローブが欲しいとお願いされるのを待つことにしました。
そのうえで、お願いされた時にどうするのか?ということも悩みました。
お願いされたら、「いいよ」と言って、すぐに買ってあげるべきなのか?
冒頭でもお伝えしたとおり、安い買い物ではありませんし、自分が失くしておいて、買ってと言われて、すぐに買ってあげるのもどうかと。
しばらくは、軟式用のグローブを使わせて、不自由さを感じることで、道具を大切にする気持ちを学ばせるということも考えました。
結論としては、本人がお願いしてきた場合には新しいものを買ってあげる事にしました。
ただし、そのうえで僕が考えた条件があります。
子供自身も費用を出すこと
まずは、子供自身にもグローブを買う費用を出させることにしました。
お小遣いやら、お年玉やらで、貯めているお金が少しはあったので、それは子供自身も出すようにさせました。
やはり、自分の責任で新しいものを買うことになったので、本気で自分が欲しいと思うのであれば、自分のお金も出すべきと思いました。
次は同じ失敗をしないように対策を考える
そして、子供自身に、どうして失くしたのか?どうすれば失くさないのかということを考えさせました。
子供なりに考えて出した答えは、普段から道具の手入れを怠っていたために、道具の所在を常に把握する環境になっていなかったので、注意が足りていなかった、毎日道具を手入れしていれば、忘れたとしても、すぐに気づいて取りに行けたかもしれない。ということでした。
対策としては、練習の後は必ず道具を手入れするということを約束しました。
新しいグローブを買ってあげた
こうした、条件をクリアしてくれたので、無事に新しいグローブを購入することができました。
いろいろと悩みましたが、まずは最初のグローブはあくまで子供の誕生日プレゼントとして貰ったものでした。
当然、プレゼントしてくれた人たちに感謝の気持ちは忘れてはいけませんが、プレゼントされた物は子供自身の物なんだと思います。
親がお金を出して与えている道具とは違うなと思いました。
あくまで子供自身の所有物であるグローブを失くしたところで、自分の物を失くしただけに過ぎません。親が腹を立てる必要も資格もないなと思いました。
ある意味、今回、買ってあげたグローブこそが、親が買ってあげた物だと思っています。
一部、子供もお金を出していますが。
そして、恥ずかしい話ですが、忘れ物なんてよくありますよね。
大人だって、どんなに大事な物でも忘れたりすることもあると思うんですよね。
携帯電話だったり、財布だったり。
まあ、当然、子供が忘れ物をすることを、「それくらいいいよ」なんて言う気はありませんが、それを目くじら立てて叱ることでもないのかな?って思います。
躾としては、物を大切にする気持ちを諭してあげる必要はあると思います。
まだまだ、子供ですので、この失敗を経験に、成長してくれればと思うと、そんなに悪い投資ではないのではないでしょうか?
それからというもの、子供は毎日の道具の手入れを欠かしていません。
どんなに、練習が遅くなっても、その日のうちに、グローブやスパイク、バットを手入れしています。
今までには無かった行為です。
だから、思うんですよね。
グローブを失くしたことは、ショックだったけど、あれは本人が成長するために必要なことだったんだろうな。って。
月並みですが、
人間は失敗から学ぶことの方が多いものですね。
子供も、親も。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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