子供が野球をやっていると、多くのお子さんは「プロ野球選手」になりたいなんて思っているのではないでしょうか?
小さい子供は、華やかな世界に憧れるもの。
一方で、実際にプロ野球選手になれる人は、ほんの一握りの人間だけです。
厳しい現実を知りながら、親は応援してあげるべきなのか?
悩むところです。
実際に、僕もとても悩みました。
その経験を基に、参考までに僕の場合をお伝えできればと思います。
子供の夢は応援してあげたい
そもそも、子供を授かった時に、子供のやりたいことは応援してあげるのが親としてあるべき姿だと考えていました。
子供は無限の可能性を秘めていて、大人の心無い言葉が子供の可能性を潰してしまうと考えているからです。
大人が大人の基準や物差しで、この子にはできないなんて判断して可能性を否定することは良くないと思っています。
ですので、子供には自分のやりたいことを一生懸命やらせてきたつもりでした。
実際に子供が野球をやりたいと言った時も、自分には野球経験なんてありませんでしたが、子供がやりたいのであればと思い、特に反対もせずに、野球をさせることにしました。
子供が野球をやり始めたころは、自分には野球経験もなく、特に詳しくもなかったので、野球をすることに対して、特別に何かできることなんて無いと考えていました。
子供も自分が好きで始めた野球ですので、楽しみながら一生懸命に野球をしていました。
子供がプロ野球選手になりたいと言った時に感じたモヤモヤ
そして、僕の子供も、多くの野球少年がそうであるように「プロ野球選手になりたい」と言うようになりました。
子供に対しては、「なれるといいね」「応援してるよ」という言葉をかけながらも、実際はどこかモヤモヤとした気持ちがありました。
恥ずかしげもなく「将来の夢はプロ野球選手になることです」と話す子供に対して、親としてどこか恥ずかしいと感じる自分がいたのです。
野球経験のない僕ですが、プロ野球選手になることが、とてつもなく厳しいことだということは理解できます。
多くの高校球児たちが甲子園という舞台を目指して頑張って、一握りの選手しか甲子園という舞台に上がれないなかで、その中でもプロ野球選手になれる選手はさらに一握りです。
そう、我が子が「プロ野球選手になりたい」と言うことを、心の中で「なれる訳がない」と思ってしまっていたのです。
なれる訳がない夢を、堂々と語っている我が子に対して、なんとも言えない恥ずかしさを感じていたということです。
子供に対して、「可能性を否定しない子育て」を目標としていながら、自分の気持ちが、自分の理想とする親の姿に追いつけていない状態でした。
言葉では、「きっとなれるよ」と子供を応援しておきながら、本心は違っていたということですね。
保護者としてどちらが正しいのか?
親の気持ちとしては複雑な思いですね。
子供が将来の目標を立てて頑張っているのを応援してあげるべきか?
子供の将来の事を考えると、もっと現実的な目標を考えさせるべきか?
とても、難しい問題だと思います。
そして、正解は無い問題だと思います。
それぞれの家庭の事情にもよりますし、子供自身の本気度にもよるのだと思います。
「信じていれば、夢は必ず叶う」なんていうのは、成功者だけが言える綺麗ごとだと思っています。
目標とする将来に対して、実力や人数的な制限がある以上、努力が報われない人間も必ずいるわけです。
例えば、野球選手になりたい子供がいて、毎日努力して、他の時間を全て犠牲にして、一日中野球漬けの生活をしながら、大人になった時に、残念ながら努力が報われず、野球選手になれなかった時に、何も残っていないなんてこともあり得るわけです。
それを、「自分の選んだ道だから」と言って、全て本人の責任にしてしまうのは、保護者としての責任を放棄していると思います。
少なくとも、その道を選んだ小学生くらいの子供にとって、その時の選択で自分の将来において、全て責任を負わされるというのは酷だと思います。
それは、ある意味で大人である保護者が責任を持って導いてあげるべきです。
だからと言って、子供の将来の夢に対して、頭ごなしに「そんなの無理だから、他の職業を目指しなさい」と言うのは、子供の可能性を全て否定していることになりますね。
それでは、子供は何もチャレンジすることなく、全ての可能性に蓋をされてしまうことになります。
では、どうすれば良いのでしょうか?
本当に難しい問題です。
親の気持ちに変化が生じる
僕の場合ですが、先ほどからお伝えしているように、子供が野球選手になりたいと言って野球をするようになりました。
そして、子供が野球をすることに対しては、しっかりと応援しています。
ただ、心の中では「野球選手になるのは無理だろうな」という気持ちがありました。
ある意味で、子供のやる気を損なわないように、表面上はしっかり応援してサポートしてあげながら、頭の中では冷静に子供の将来について考えておく。こういったスタンスも、保護者としては正解なのかなとは思います。
親が冷静であることで、子供の将来のために、必要な勉強であったり、活動をすることを促すことができるからです。
しかし、親である僕の気持ちに変化が生まれます。
子供が本気で野球選手を目指し、頑張っている姿を、一番近くで見続けることで、
「子供が本気で野球選手になるつもりなのに、親である僕が信じてあげなくてどうするんだ?」
と思うようになっていきました。
そして、親も一緒に本気で子供がプロ野球選手になるために頑張る気持ちになりました。
野球に関しては素人である僕が、子供に対して教えてあげられることなんて無いのかもしれません。
しかし今の時代は気軽に野球の練習のための動画なども見ることができます。
心を入れ替えた僕は、子供と一緒になって、いろいろな練習メニューを取り入れるようになりました。
親の覚悟とは?
冒頭でもお伝えしたとおり、プロ野球選手になれる確率なんて、ほんのわずかです。
生半可な気持ちではなれるはずもありません。
子供自身も、親も相当な覚悟が必要だと思っています。
子供は今のところ、学校に行く時間や、宿題する時間、食事やお風呂といった生活する時間を除いては全て野球に費やしています。
小学4年生のころに、もうゲームはしないと自ら言って、それ以来、ゲームはしていません。
友達と休日や放課後に遊ぶこともないですね。やるならチームメイトと自主練習するくらいでしょうか。
我が子ながら、よくやるなとは思いますが、まだまだ努力不足だとは思います。しかし、そういった姿を間近で見ていたので、親としての気持ちも変わりました。
ただ、先ほども説明したとおり、どれだけ努力してもプロ野球選手になれない可能性はあるのです。
努力したら、みんながなれるような世界ではないですね。
では、目標に到達できなかった時の、親の責任としてはどうでしょうか?
「自分の選んだ道だから、自分でなんとかしなさい」
というのは無責任ですよね。
もし、我が子がプロ野球選手になれなくて、大人になって生活に困るようなことがあれば、少なくとも自分が生きているうちは養ってあげようと考えています。
これが、僕の考えた親の覚悟です。
当然、僕も何歳まで働いているか?収入がどのくらいあるか?ということはあるかと思いますが、それが親としての責任だと思っています。
だから、子供には一生懸命に後先考えないで、チャレンジしてもらいたいと思います。
子供に押し付けない
ただ、子供の夢が、親の夢になってはいけません。
あくまで、プロ野球選手になりたいのは子供であって、親ではないのですから。
子供に対して、心構えを伝えることはありますが、強要はしないようにしています。
ですから、子供が諦めた時は、それはそれで、受け入れてあげるべきだと思っています。
これから、どんどん成長するにつれて、たくさんの壁が立ちふさがることでしょう。
どこかで、ひょっとしたら、諦めることになるのかもしれません。
その時は、今までよく頑張ったねと、褒めてあげたいと思います。
逆に、子供が信じている限りは、親も一緒になって、「必ず我が子はプロ野球選手になる」と信じて応援したいと思います。
子供に対して伝えていることは、
「なりたい」と「なる」は違うということです。
「なる」と決めたのであれば、目標を達成するために、計画的に取り組んでいかなくてはいけないのだと伝えています。
今回紹介させていただいたのは、あくまで我が家での事例であって、これが正解だとは思っていません。
我が子の場合、本気で取り組んでくれていたので、親も応援したい気持ちが生まれました。
それぞれの家庭の事情によっても、子供の姿勢によっても、状況は変わってくると思います。
ただ、頭ごなしに子供の可能性を否定しないでほしいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。
子供が野球をやりたいと言ったときに親はどうするべきか?実際の経験をお伝えします